真作 富山の精鋭 肉筆「巣のある風景」水彩 題 藤田和十 ふじた かずとお 鉛筆署名あり 国画会所属 合わせたとう箱入
砺波地域で活動する小矢部市在住の洋画家

藤田和十（ふじた・かずとお）氏の作品。
筆により手で描かれたものです。
背面に鉛筆サインあり。

支持体 和紙。技法 水彩。
付属するもの。額。さげ紐。合わせ被せ箱。

緑青。茶と紫。

色の深み。
みるほどにすみわたる空気が
流れこんでくるようです。

ふーっ。
思わず深呼吸。
詩情あふれる
貴重な直筆による水彩作品。
制作時期不明。

秋の森の水たまりに映った
葉っぱや秋の深まりゆく空。

作品の上に描かれた
大きな鳥の体の美しいフォルム。
お父さんとお母さんの鳥でしょうか。
見守るように見開く瞳。
翼とくちばしの優美さ。
下にいる3つのいきものにみえる形。
愛らしく鳴き声が聞こえてくるようです。

ひなでしょうか。
鳥がいて巣があって。

帰ってゆくところ。
心安まるところ。
家族のいるところ。
リズミカルな線と

美しい色彩の調和。

縁の紫色はみのりの秋を思わせます。
季節の深まりゆくようすを
作家は繰り返し青を基調として描いています。


サイズcm
額 たて73.5 よこ56
画面 たて51.5 よこ37.5
目方 2839 g

地元銀行の販促ポスターも手がけられていて
地元の方々には覚えめでたい作家です。
いずれかの原画として描かれたのでしょうか？
国画会版画部実力派として活躍される画伯は
詩人でもあります。

藤田 和十 ふじたかずとお FUJITA Kazutou

1925年 高岡市に生まれ。
1940年 旧制氷見中学校に入学。
在学中、洋画家で、美術教師であった
東一雄に出会い師事。
富山青年師範学校に進学し、卒業後は県内の中学校で教鞭を執りながら創作と詩作を続けてゆきます。
1960年 本格的に版画制作に取り組む。
1962年 国画会版画部に出品し新人賞を受賞。同会に加え海外公募展にも積極的に出品。
版画制作と並行し詩集を出版。現在に至る。

愛でてゆきたい一枚です。

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滅びの美学たおやかなもの
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